喜多方市シルバー人材センターの活動の中には、地域の伝統や風習を守る取り組みがあります。
会員が中心の「独自事業」による、しめ縄などの正月飾りの製作、彼岸花の製作、お祭りの時に
家々の玄関に飾る軒花(のきばな)の製作です。

 大きさの異なるしめ縄二種類と玄関飾りを製作しています。 縄の材料となる植物は、稲ワラではなく、「スゲ」という植物を用いています。このスゲは野生のもので、会員さんが刈り取ってきて、それぞれの家庭で乾燥させてから編みあげます。ここに、「幣束」(へいそく)やエビなどの飾りを取り付け、仕上げていきます。


 春のお彼岸にあわせて作られる造花の彼岸花は、雪深い東北各地に残る伝統です。かつて雪国では冬
期間に生花を供えることが難しかったため、造花を供える習慣があり、それぞれの地域で作った造花が
飾られてきました。その形は地域によってさまざまで、秋に咲く彼岸花(マンジュシャゲ)を似せたも
のもあれば、菊の花に似せたもの、一輪咲きや何輪も花を付けたものなど、色・形はさまざまです。
 喜多方市周辺では、菊の花に似せ、さまざまな色の花を付けたものが作られてきました。近年は地域
の作り手が減っていることから、その担い手としてシルバー人材センターが彼岸花を作っています。大
きさは、小さい方からミニ花、七ツ花、九ツ花(普通)、九ツ花(大)の4種類あります。